予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

運動してはいけない条件(筋トレ編)

筋力を強化するためには、ウォーキングや自転車のぺダリングといった有酸素運動だけではうまくいきません。

 

繰り返しになりますが、有酸素運動は心肺機能強化、レジスタンストレーニング(筋トレ)が筋力強化です。

 

だいたいのことは有酸素運動の禁止事項と同じですが、レジスタンストレーニングをしてはいけない条件を挙げます。

 

1、コントロール不良の高血圧がある(収縮期/拡張期:180/110以上)

2、糖尿病の場合、糖尿病性網膜症のコントロールがしっかりできていない場合

3、不安定な循環器疾患がある場合(不安定狭心症、重症大動脈弁狭窄症、重度の肺高血圧症、急性大動脈解離、Marfan症候群、コントロールされていない心不全など)

4、整形外科的な疾患で運動制限がある場合

 

一般の方では、3に当てはまる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、気を付けたいことは、循環器の病気があっても。しっかり内服薬等でコントロールできていればレジスタンストレーニングは可能ということです。

 

あと、気を付けながらレジスタンストレーニングをしなければならない場合は、ペースメーカが入っている方です。

特にペースメーカ植え込み後は、ペースメーカのリード線が運動中に損傷してしまうことがありますので、注意が必要です。

 

それを回避するために、ペースメーカ植え込み後の方には上半身の筋トレではなく、下半身中心の筋トレをお願いしています。

(絶対禁止ではありませんが、もし自分なら避けます)

 

コントロールされていない高血圧のまま、筋トレしてる方は相当な数になると思います。その中から運動中、運動後の心事故、突然死が起きている可能性は否定できないと思います。