予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

脳卒中・心臓病の血圧コントロール

高血圧の定義をおさらいをします。

 

血圧:140 / 90 以上 ⇒ 高血圧

血圧:130~139 / 85~89 ⇒ 高値血圧

血圧:120~129 / 80~84  ⇒ 正常高値血圧

血圧:119 / 79 以下 ⇒ 正常血圧

 

でした。

 

予防の観点からは

 

血圧が140 / 90 以上で脳卒中心筋梗塞などの心臓疾患での【死亡率】が上昇

血圧が120 / 80 以上で脳卒中心筋梗塞などの心臓疾患の【発症率】が上昇

 

以上のようにガイドラインには記載されています。

 

ですから、120 / 80 以上になった段階で、いろいろと注意をしなければならないというお話もさせていただきました。

 

今回は、既に脳卒中心筋梗塞、腎臓病などになって内服薬での治療を継続している方が、慢性期(一般的に退院後になります)どこまで血圧を下げればよいのか、というのがテーマになります。

 

ご家族や周りにこれからまとめていく御病気の方がもしいらっしゃいましたら、是非教えてあげてください。

 

a)脳梗塞後:130/80未満まで下げる

(ただし、頸動脈の高度な狭窄や、脳の主幹動脈閉塞では下げすぎに注意し、140/90未満とすることを推奨)

 

※注意:脳梗塞発症直後(急性期)は当てはまりません

 

b)脳出血後:130/80未満まで下げる

(降圧治療による脳出血の再発は50%低下する)

 

c)くも膜下出血:明らかな科学的根拠が現状ないため、脳出血後と同じ基準となった。

 

d)狭心症心筋梗塞治療後:130/80未満まで下げる

(特に収縮期血圧130以下への降圧は、心不全脳卒中発症を低下させる)

 

e)心不全発症後:病態により値が違うので、主治医に相談しましょう

(高血圧は心不全の原因として最も頻度が高い。高血圧は心不全初期段階と言い換えても過言ではない)

 

f)心房細動発症後:収縮期血圧を130未満に下げる

(心房細動における脳卒中、死亡のリスクは血圧依存性に増加する。また、抗凝固療法による出血などの合併症予防のためにも、血圧は厳しく管理すべき)

 

g)大動脈解離後:慢性期には収縮期血圧130未満に下げる

(急性期、つまり入院中は収縮期血圧を110~120といわれることが多い)

 

h)動脈瘤収縮期血圧を105~120

(破裂すると致死的。現状では明確なエビデンスなし。しかし、収縮期血圧を105~120にコントロールすることが重要とされている。禁煙が重要)

 

長くなってきましたので、他の疾患につきましては、別の機会にご紹介します。

 

是非参考にして、主治医の先生にいろいろ聞いてみてください。

 

今回は再発防止の観点を中心に、脳卒中と心臓病に一度かかってしまった人のための血圧管理の重要性をまとめました。脳卒中心筋梗塞を減らす輪が小さくても、少しずつでも、広がればと考えています。