予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

日常診療には矛盾が多い(理不尽さも)

先日も午前中だけで、高血圧で未治療の方が10名ほど来院されました。

 

高血圧のガイドラインについて詳しくご説明すると、治療を積極的にやっていきたいというかたが多いです。

(高血圧では死亡率が上がるのですから、あたりまえですかね)

しかし、丁寧に説明する時間をとればとるほど、他の方の待ち時間は増えます。

 

自分自身はなるべく待たず、自分の診察時はたくさん話をしたい、聞きたい。というのが理想だと思いますが、なかなか物理的に難しいことが多いです。

 

今回、検査の結果説明だけを聞きにきたのにこんなに待たせるんじゃない、と怒って帰って行かれたかたもいらっしゃいましたが、そういう方は、受診日も主治医も決まっていなくて、予約もなく、毎回ご自分が来れる日に来ている方でした。

 

こちらとしても、早く外来が終わった方が昼休みがとれるようになるので助かるのですが、どうしても丁寧にしっかりやっていくと、そうもいかないのです。

 

詳しい話が聞きたい、しっかりとした治療がいい、と思っていらっしゃる定期受診の方々は、予約をしていても状況によっては1時間以上お待たせすることもあります。

(予約外の急患対応がある限り、そうなってしまいます。予想できませんので。)

 

しかし、ご予約でいらっしゃっている方々は、本当に嫌な顔一つせず(本当はお待ちにはなりたくはないのでしょうけど)、こちらをねぎらうほどの精神的な余裕をもってらっしゃる方も多く、心の広さに毎回救われています。

 

こちらも人間ですから、そういう方たちにはもっと時間をとって、満足感が高い対応がしたいと思いますよね。

 

待てない方は、まずしっかり主治医の先生を決めて予約して来ていただくか、説明が短く(ほとんどなく)、回転の速いクリニックを探して行っていただくしかないのかなと今回思いました。

 

あと、毎回受診する医師が違ってしまうと、少なくとも必要十分な説明は受けることは難しいと認識して病院に通院してください。

 

(これはクリニックのフリーアクセスは損だと思うという内容で以前書きました。前回担当した医師がまずどう説明したのか詳細までわかりませんから、現状を説明するのみで、いままでのこと、これからのことの説明は難しいと思います)

 

回転の早いクリニックの場合、病状の説明はお聞きになれないとは思いますが、治療方針がほとんど変わらないのなら、それが良い人もいらっしゃるでしょう。

 

 

しかし、世の中は広くて、ここまで高血圧の方がいらっしゃるのかと、本当に毎回毎回、ただただ驚きます。

 

しかも140 / 90周辺の血圧ではありません。200 / 110とか、180 / 100、170 / 90 といった数値です。

 

今回の診療を振り返ると、高血圧や循環器の慢性疾患専門に特化させた外来・クリニックにして、予約制にした方が、自分と患者さんにとって、お互いのためになるのかなと感じた一日でした。診察前にblogを読んできてください、というのもありかもですね。