予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

【高血圧パンデミック】との戦い

毎週毎週、本当に毎週、新規の高血圧の方にお会いします。

特に症状はないんですが、数字にびっくりしてという方がほとんどです。

血圧は客観的に数値ででるので、非常に治療がやりやすい生活習慣病のひとつですが、症状がないため治療に対するモチベーションの維持が難しいと思います。

血圧を適正値まで下げることで、脳卒中、心臓病(特に狭心症心筋梗塞)、その他の動脈硬化による疾患の発症を【確実に】減らすことができます。

これも曖昧な話ではなく、科学的に証明されています。

なかには、他の病気によって高血圧になっている場合もありますから、若年層でも必ず内科(できれば循環器内科)を受診してください。

循環器内科(心臓内科)がよいと思う理由は、以前も書きましたが、高血圧の先には心臓病や血管病(脚の血管が狭くなる、首の血管が狭くなる、大動脈疾患など)といった循環器内科が専門にしている病気ばかりだからです。

自分の患者さんが心筋梗塞になってほしい、なんて思う医師はまずいませんから、心筋梗塞の大変さ、脳卒中の大変さをよく知っている医師を選ぶと、血圧もかなりしっかりみていただけるかと思います。

血圧が150/90で、まあまあだから、様子をみましょうでは困るのです。

高血圧のガイドラインという、いくつまで下げれば合併症が減らせるか、を計算し尽くした決まりのようなものが最近改訂されています。

ガイドラインを作成された先生方は、自分たちの本気度を感じてほしいとコメントされていました。

商品名を出すのは避けますが、降圧効果が低い薬だけを飲んで、血圧高いけど一個飲んでるから下がらなくても仕方ないでしょ?という非常識を壊していければよいと思います。

高血圧ガイドライン2019については、内容をよく確認してまた詳しく情報提供します。若い頃はみんな100/60くらいだったはずです。実際若い方の血圧はほとんどがそうです。コレステロールもそうですが、血圧も最近the lower, the betterな傾向になってきています。(もちろん下げすぎはだめですが)