予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

Apple Watchの威力と課題

Apple Watchに心電図機能が使用できるようになりました。

 

以前にもここでも記載しましたが、実際に使用してみると、さまざまな利点があることがわかりました。

(心電図機能以外にもたくさん良い部分があり、詳細はまた後日記載します)

 

まず、心電図機能ですが、動悸を感じた際に30秒間自分の意思で時間を選ばずに心電図を記録できることは大変有用に感じました。

 

もちろん心臓病の全てを診断しうるわけでもなく、クリニックや病院で記録する一般的な心電図とは得られる情報量はだいぶ異なると思います。

 

そもそも心電図で一発診断なんてできる病気は限られていて、他の血液検査やレントゲン検査も必要な場合が多い循環器病では、APPLE WATCHの機能は限られていて、APPLE WATCHの判断を鵜呑みにすることはできませんが、、

 

それでも、こと不整脈の診断に関しては、医療機関で心電図をとってもいつも問題ないと言われる、一日つける心電図(ホルタ―心電図と言われるものです)をしてもその日は何も起こらなかった。

 

ゆえに、あなたの感じている動悸はメンタルです。

 

そのように診断され、その後のフォローなし。なんていうことは医療現場では日常的によくあること。

(それでも不整脈専門医の先生方はそれなりにフォローしています)

 

なかにはそれでも私には動悸があるんだ、と携帯型心電計というものを購入され、動悸の原因をご自分で証明される方もいらっしゃいます。

 

APPLE WATCHは今後も検証は必要とは思いますが、

 

現時点では記録された波形をそれなりに経験のある先生が見れば、一定の診断がつくか、診断には至らないまでも、ある程度の疾患を推測することはできそうというのが印象です。

 

また使用者本人のタイミングで記録できるほか、定期的に波形をモニタリングしている様子。

 

高いけど、買う価値あり。です

 

特に普段動悸を感じているけれども、健康診断で心電図とっても、クリニックいってもいつも心電図はきれいとしか言われない。

 

そんな多くの方々に、是非手に取っていただきたいと思います。

 

正直想像以上でした。