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内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

冠動脈疾患発症予測ツール 【これりすくん】

日本動脈硬化学会がなかなか便利な冠動脈疾患発症予測ツールを提供してくれています。

 

冠動脈疾患発症予測ツール 【これりすくん】 というものです。

 

冠動脈疾患とは、簡単に言うと心筋梗塞狭心症です。 冠動脈疾患発症予測ツールとは、心筋梗塞予測ツールということだと理解していただいてよいと思います。

 

実際使用してみると、リスクがどれくらいか、あと、何もリスクがない人と比べて、自分がどれくらいのリスクになるかを計算してくれます。

 

現状、日本では心筋梗塞の数は統計上減っていません。現状は、です。

 

それは高血圧やコレステロール異常の未治療人数が、まだそれだけたくさんいらっしゃるということを意味しています。

 

仮に、全ての日本人が血圧やコレステロールをしっかり管理したら、心筋梗塞脳梗塞の発症率は激減するのは明らかでしょう。

 

【がん、脳卒中心筋梗塞の時代ではなくなった】の意味は、脳卒中心筋梗塞が予防は十分可能になった、発症を低下させることができるさまざまな薬剤があり、食事療法や運動療法がある、ということです。

 

そういった意味で、【脳卒中心筋梗塞】の発症には、ある程度自分たちの意思が及びます。

 

【がん】はまだなかなかそのレベルにはないですよね。

 

やることをやって、脳卒中心筋梗塞になったら自分はあきらめがつきますが、やることやらないでなったらきっと後悔します。

 

是非こういったツールをつかって、自分のリスクを徹底的に把握してください。

 

わずかでも未来を予測できるのは、とても価値のあることだと思います。

 

脳卒中心筋梗塞を激減させることは十分、実現可能だと思っています。まだまだ余地があります。

 

※これりすくん

http://www.j-athero.org/general/ge_app/general2/index.html