予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

運動習慣を継続するための時間の使い方

仕事柄、自分の同年代よりもやや高齢の方々に運動指導(運動処方)をさせていただくことが多いのですが、

 

ご高齢の方に比べ、仕事をしている割合が多い若い世代は一般的に自分の時間があまりありません。

 

話を伺っていると、ほとんどの人が時間がないといいます。

 

仕事に使われる時間、家族(子育て含む)に使う必要のある時間、移動時間、趣味の時間、睡眠時間などでしょうか。

 

これらに使用できる時間は誰でも一日24時間であることは決まっているので、

 

その配分は意識的に分けていかないと、行動は変えることができません。

 

 

仕事に使われる時間や家族との時間は自分の意思で変えられない場合が多いので、

あとは趣味の時間をどうするか、睡眠時間をどうするかになってきます。

 

睡眠時間を削るか、無駄な趣味の時間を削るかです。

 

自分の場合は、トレーニング効率を落とさないため、免疫力を落とさないためなどさまざまな医学的理由から、睡眠時間は可能な限り十分とるように努めています。

(時間が取れない場合もあるので、そうでない日は極力努力してとります)

 

ですので、睡眠時間を削る選択肢はありません。

 

多くの方にも睡眠時間を削ることはお勧めしたくありません。

 

 

そう考えると、あとは趣味の時間をどうコントロールするかです。

 

20代の頃はあまり感じないと思いますが、30代後半の頃から、人生は有限であるということを強く感じるようになりました。

 

一日中時間のある学生時代、どれほど無駄な時間を過ごしてきたのだろうと思うことはありますが、実はあれも今から考えれば必要な時間だったのだと思います。

(いま時間がないように感じるのは、あの頃の揺り戻しだと思っています)

 

趣味に使う時間についても、若い頃とはだいぶ違ってきました。

 

現在はほとんどの時間を、本を読んで知らない知識を貪欲に獲得することと運動に充てています。

 

 

運動習慣を継続するには、逆説的ですが、

 

あまりあたまで考えすぎないで、2~3種類の運動を毎日継続することだと思っています。

 

最初に何の運動を、どうやるかを考えることは重要です。

 

踵上げやハーフスクワットをまずおすすめしている理由は、下肢の筋力をつけることが、その後トレーニングを続ける際の基礎になるからです。

 

また、下肢の筋肉量は上半身の筋肉量よりも圧倒的に多いので、ウォーキングやぺダリングなどの有酸素運動の効率を上げられるという利点もあります。

 

しかし、このように最初に理論的にある程度考えたら、あとはあまり考えない。

 

純化して、ものを絞って、ひたすら繰り返す。

 

そして楽になってきたら、回数を増やす。

 

筋トレは週3回がよい、とかいろいろ理論はありますが、トップアスリートになる訳ではないので考えない。

 

自宅でやる自体重負荷トレーニングなんて、たいした負荷にはならないので、毎日やっても問題ありません。

 

レーニングを週3回(月・水・金)と決めたとしても、結構忘れてしまうものです。

 

間違いなくそのうち段々やらなくなりますから、もう毎日やると決めてしまった方がいいです。

 

やるまで寝ないと。

 

一日の時間のなかで、【緊急性はないが重要なこと】にどれだけ時間を割けるのかが人生にはとても重要なようです。