予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

ヘリコバクター・ピロリ除菌の重要性

先日内視鏡検査や、ヘリコバクター・ピロリについて書きました。 ヘリコバクター・ピロリが陽性だった場合は、内服薬で除菌をします。 1回で除菌できない場合もあるので、その場合は2回目の除菌に進みます。 除菌したから、あとは大丈夫と考える人が多いです…

大腸がん予防にアスピリンは広まるのか

大腸がんの予防にアスピリンが有効だ、という話題は数年前から出ていますが、大規模な調査では、アスピリン内服による出血性リスクを考慮し、予防的な内服には現状では慎重になるべきだとされています。 現在もはっきりとした結論は出ていないんだと思います…

フレイル、サルコペニア

社会の高齢化に伴い、フレイルとかサルコペニアといった表現で、加齢による筋肉量の低下による機能障害が話題になることがかなり増えました。 原因は運動量の不足と低栄養状態ですから、どんな運動をお勧めして、どんな栄養を摂るべきなのでしょうか。 運動…

ウォーキングしてきました

つい数時間前に用事先まで歩いていたら、月に一度外来に来てくださっている方に偶然信号待ちでお会いしました。 「外来でウォーキング30分と先生に言われたので、ちょうど駅まで歩いていた」そうです。 自分も駅から往復20分の距離を歩いていて、その方と駅…

若年に増加する高血圧を考える

30歳代、40歳代の方々に高血圧がとても増えている印象を、この数年感じています。 食事内容の変化と運動機会の減少が原因なのでしょうか。 若い年代の高血圧の方は、例えば140/110(収縮期血圧/拡張期血圧)のような、拡張期血圧が高いパターンが多いよう…

必ず胃カメラを受けましょう

一般的に胃カメラと言われる検査を、上部消化管内視鏡検査と言います。 ヘリコバクター・ピロリをご存知でしょうか? 胃の中に生息するピロリ菌は慢性的な胃炎のげんいんとなるばかりでなく、胃がんの原因になります。 ピロリ菌がいなければ99パーセントは胃…

末梢動脈疾患の運動療法

医学雑誌に、末梢動脈疾患の運動療法について、寄稿する機会をいただきました。 末梢動脈疾患とは、足の動脈が狭くなったり、詰まったりする病気です。 運動療法を継続しないと、いくらカテーテル治療で狭いところを広げることに成功しようと、結局一年後に…

運動療法について

医師から、運動しましょうと言われることがあるかと思います。 医師はどのような意味で運動を勧めているのかを知ることは大事です。 外来が混んでいれば、医師は一人ひとりに運動の内容やその意味をお伝えすることが難しいと思います。 運動して血糖値下げま…

医療は予防の時代に

日本の医療は、ある面では世界でも非常に高い水準にあります。 この高水準の医療によって、日本人の「平均寿命」は延びてきているものの、医療・介護に依存する必要がない「健康寿命」との差が大きくなっています。 言い換えると、自由に動けないからだにな…