予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

ヘリコバクター・ピロリ除菌の重要性

先日内視鏡検査や、ヘリコバクター・ピロリについて書きました。

 

ヘリコバクター・ピロリが陽性だった場合は、内服薬で除菌をします。

1回で除菌できない場合もあるので、その場合は2回目の除菌に進みます。

除菌したから、あとは大丈夫と考える人が多いですが、そうではありません。

除菌した方はヘリコバクター・ピロリがいなくなったとはいえ、最初から陰性だった人と比べると、発がんリスクが高いため、除菌後も1年に一回は内視鏡検査を受けることを推奨されています。

毎年、内視鏡検査を受けていたおかげで、早期に胃がんが見つかり、内視鏡治療でがんを早期に治療できたケースをたくさん経験しました。

 

ヘリコバクター・ピロリが初めから陰性だった方は、はっきりとは決まってないそうですが、2年に一度程度内視鏡検査をする、それくらいを目安にしてはどうか、と消化器の専門医の先生にご指導いただきました。

 

除菌してもがんになるのか、と思われた方がいらっしゃると思いますが、胃がんの発症リスク自体は下がりますし、ヘリコバクター・ピロリは血液疾患(特発性血小板減少性紫斑病)や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症を防げるので、やはり除菌すべきでしょう。