大腸がんの予防にアスピリンが有効だ、という話題は数年前から出ていますが、大規模な調査では、アスピリン内服による出血性リスクを考慮し、予防的な内服には現状では慎重になるべきだとされています。
現在もはっきりとした結論は出ていないんだと思いますが、夢のある話題で、自分は以前から特に注目している話題です。
循環器の患者さんには悪性腫瘍の人が少ない、と感じている先生方も結構いらっしゃると思います。
実際いくつかの大規模な調査ではアスピリンの有効性を示す結果が出ています。
大腸がんを17パーセント抑制する、大腸がんの前段階である大腸腺腫の再発も約40パーセント減らすなど、有効性はある程度確かなようです。
もちろん、そうではないという結果が出た臨床試験もあるようですが、アスピリンという古くから使われている安価な薬剤に大腸がん予防効果が証明され、実際に使用されたら、画期的な予防法であるのは間違いありません。
以前少し書きましたが、大腸がんのリスクを減らす事が既に確かであると証明されているのは運動療法の継続です。
(運動療法でリスクを低減できるのは大腸がんの中でも直腸がんだったと思います)
アスピリンと運動療法の組み合わせで、どれくらい大腸がんを予防可能なのか、近い将来結論が出るのかもしれません。
最近は脂質異常症の治療薬であるスタチンにも、同様の効果があるのでは、と言われています。