予防医療にビッグデータを利用した大きな波が来つつあるのは間違いありませんし、もはや避けられません。
今日もまた、あたらしい話題を目にしました。
心臓病の発症予測を、過去のビッグデータを基にして3年以内に実用化できるレベルになるという話題です。
心臓病の多くは遺伝的要素よりも、日々の生活習慣が積み重なって起こる面が大きい病気です。
生活習慣病である高血圧、コレステロール異常、糖尿病、肥満など丁寧にしっかり是正する、適切な運動習慣をつけることで予防可能であるということです。
これに目をつけたTOSHIBAがアメリカのジョンズホプキンス大学と予防のアルゴリズムを開発していたようです。
詳細は不明ですが、以前ご紹介した冠動脈疾患発症予測ツール【これりすくん】をもっと進化させたようなかたちで、個人個人で具体的な治療メニューが違う可能性もあります。
年齢、性別、血圧、コレステロールの値、体重、血糖値、腎機能データなどを入力すると、その段階でのリスクを出すものなのでしょうか。
行政で行われている健康診断に導入される可能性もあります。
現在のように、血圧が高いから病院へ行きましょうという健康診断結果ではなく、もっと具体的になる可能性があります。
具体的に例をあげれば、
「血圧が高く、心臓病発症のリスクが30%もあるから、クリニックを受診しこの薬を出してもらいましょう。その薬を内服すれば、あなたの心臓病リスクは30%から5%まで低下します。」
ここまで具体的な内容になるのかもしれません。
同じコレステロール異常でも、Aさんはまず運動を30日間試しましょう、Bさんはハイリスクなので内服薬からスタート、内服薬はこれを、そして、コレステロールをいくつにしたらどの程度発症を予防できるか、など具体的なことまで分析して出される可能性があります。
このAIからの指示通りにした場合と、そうでない場合の比較試験が今後予定されると思います。
(もしかしたら既に進行中かもしれません)
そのデータがポジティブであれば、一般社会に導入されます。
こういった変化はかなりの早さで進歩しています。
情報を受け取る側の不安とは無関係に、今後大量のデータから割り出された病気の発症率、死亡率を計算してきます。
もう不安かどうかに関係なく、ビッグデータがどんどんこれから押し付けられてくるはずです。
それを受け止めて、どう行動するかしか個人の選択肢はなくなるのでしょうか。
今から心の準備をしておきましょう。 医療者側もこの大きな変革への対応が求められるようになります。
また詳細がわかりましたら、報告します。