家庭血圧の測定方法は、高血圧治療ガイドライン2019で一応決まっていますので、簡素化してまとめておきます。
まず、上腕で測定します。
上腕とは肘より上の腕の部分です。手首で測定する血圧計は推奨されていません。
血圧の数値にはばらつきがあるため、一機会に2回測定しその平均値を血圧手帳に記録します。
朝の測定は、朝食前、朝の内服前、排尿後、座って1から2分経ったあとに測定します。
夜は座って1から2分たったタイミングとだけ指示されています。
(追加で夕食前、夜の服薬前、入浴前、飲酒前などの指示が細かくありますが、必須ではありません)
血圧の評価には測定した7日間の平均値を使用することになっていますが、個別の測定値も参考にします。
家庭での血圧は高血圧の判定は135 / 85 以上が高血圧となります。
逆に正常の血圧としてよいのは 115 / 75 未満です。
(血圧には正常血圧、正常高値血圧、高値血圧、高血圧という定義があるのでした)
家庭血圧は厳しめの基準になっていることに注意しましょう。このあたりが少し複雑だなと思います。
(診察室では140/90以上が高血圧、家庭では135/85以上が高血圧です)
脳心血管病のリスクの事を考えれば、115 /75 未満 が本当は良いのでしょう。
なかなか高いハードルです。
血圧測定の方法はこのように細かく指定があるのですが、これを100%やろうとすることが手間になって測定を続けられない方が必ず出てきます。
なので、ある程度はアバウトでも測定を継続するという方が現実的で正しいと、個人的には思います。
血圧の測定の仕方については、非常に多くご質問を受けるので、参考になればと思います。
ちなみに循環器専門医試験には過去にこの内容から出題がありました。