予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

近隣にコンビニがあると、動脈硬化は進展しやすい可能性

少し面白い研究がありましたので、ご紹介しようと思います。

 

自宅の近くにコンビニがあると生活は便利だが、動脈硬化の予防には良くない可能性があるという内容です。

 

 

約2700名の若年成人を対象に、自宅から3㎞以内の全ての食料品店・飲食店にコンビニやファストフード店がどれくらい占めているか、そして、この2700名の心臓の血管に動脈硬化がどれくらい起こっているのかが調査されました。

 

心臓の血管の動脈硬化をどうやって調べたか、というと、全員のCTを撮像して、心臓の冠動脈という血管の石灰化という現象を調査したようです。

 

 

その結果、近くのコンビニの割合が10%上昇するごとに、動脈硬化病変を発症するリスクが34%も高まるということがわかりました。

 

その一方で、ファストフード店動脈硬化病変の発症については、関連がはっきりしなかったそうです。

 

これはファストフード店よりもコンビニの方が、

 

スナック類が多く、アルコールやタバコが置いてあることも関連したのではないか

 

という結論づけがされているようです。

 

この研究はアメリカで行われた研究で、日本のデータではありませんので、そのまま日本に置き換えることはできないですが、ひとつの可能性としてあたまに入れておく必要があるかなと思いました。

 

コンビニの食品の中には動脈硬化に関連する何かが、もしかしたらあるのかもしれません。

 

コンビニの商品は比較的値段が高いわけで、もともと健康に良いイメージは全くなかったので、それでこういう結果だと、個人的にはますます足が遠のいてしまいそうです。