予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

2018年、がんの統計

2018年の、がんの統計という資料を確認してみました。

 

各がんによる男性の死亡数は、

肺がん 55100人、胃がん 30000人、大腸がん 28700人、肝がん 17600人、すい臓がん 17600人、前立腺がん 9400人、食道がん 9300人

と続きます。

 

女性の死亡数は、

大腸がん 24800人、肺がん 22400人、すい臓がん 17300人、胃がん 15800人、乳がん 14800人..

となっています。

 

また、がん罹患数 (発症数) を見ると、

 

男性は 胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、肝がんの順です。

女性は 乳がん、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がん、の順になっています。

 

この結果を見て直感的に感じたのは、

 

1、男性は、胃がんや大腸がん、肺がんになることが多いが、死亡まで行ってしまうのが一番多いのが肺がん。

 

2、女性は乳がんや大腸がん、胃がん、肺がんが多い。 早期に見つかれば、乳がん、大腸がん、胃がんは治りやすい。やはり肺がんは治りにくい。

 

肺がんの治療も、様々な薬剤が次々と出てきていて、今の状況は変わるかもしれませんが、内視鏡検査、治療、またヘリコバクターピロリの除菌などで流れが変わってきた胃がんなどに比べて、やや遅れをとった結果をみているのでしょうか。

 

ただ、肺がんの発症する年齢は70代以降に多いと言われていますので、肺がんになる人の年齢が他のがんより高いことが、死亡数の多さに影響しているのかもしれません。

 

統計を深く読むことができていないかもしれませんが、とりあえず今後は主役が、胃がんや大腸がんから、肺がんの予防や治療がどのように進歩し変わっていくのか、に移行していくような気がします。