心臓病には、さまざまなものがあり、大きくわけて
2、不整脈(心房細動など)
3、弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症など)
4、心筋疾患(拡張型心筋症、肥大型心筋症など)
5、大動脈疾患(大動脈解離、大動脈瘤、末梢動脈疾患)
6、感染性疾患(感染性心内膜炎)
そして
8、主に1-4が原因で起こる、心不全(急性、慢性)
以上のようになります。
(※各病気については、また後日、解説させていただく機会を作りたいと思います)
カテーテル治療がない時代には、現在のような治療ができなかったため、急性心筋梗塞では、血栓を溶かす薬を注射して、あとは祈るしかなかったと、年配の先生からよく話をされたものです。
それ以上の治療がなかったので、助かるか、助からないかといった世界だったのです。
最近では医療技術の進歩で、助かるか助からないか、から、助かったあとにどう過ごしていくかという時代に変化してきました。
急性心筋梗塞を発症した場合には、詰まった血管をカテーテル治療で広げることで、多くの場合救命が可能になりました。
しかし、ここには誤解が多少あって、心臓の血管は広がっていますが、心臓にはダメージがある程度残ります。
(これについても、後日、急性心筋梗塞についてまとめます)
ダメージを受けているので、もとの心臓には戻らないとはいえ、現在は的確なカテーテル治療に加えて、内服薬やペースメーカといって心臓を助ける働きのある機械も進化し、心臓の機能が改善する場合も増えました。
もともとの心臓の機能を100とすると、60~90くらいまで改善する場合もあります。
しかし、以前の心臓の機能(100の状態)よりも弱い状態なので、この状態でいきなり今までと同様の日常生活を送ることになると(これも重症度は個々で異なるのですが)、慢性心不全という状態になります。
昔に比べて救命は可能になった、しかし、心臓の機能が低下した慢性心不全の方が爆発的に増えた、のが現在です。
慢性心不全は、その名の通り、心不全(心機能低下した状態)が慢性化しますから、少し動いただけで息切れがしたり、足がむくんだりを繰り返す可能性があります。
場合によっては入退院を繰り返します。
それを予防しようという取り組みが、心臓病の運動療法である心臓リハビリテーションになります。
適切な運動を通して、今の心臓の機能に合わせた、心不全にならないような身体づくりを行っていくのが目的です。
低下した心臓の機能を、肺の機能や足の筋力を強化することによってカバーするというイメージが正しいと思います。
心臓を他の臓器で助けてあげるような感じです。
残された心臓の機能は人によって千差万別ですから(正常を100と定義すると、40だったり、60だったりする訳です)、当然、運動量の調整も個人個人で変えないといけないですよね。
その辺りの評価は非常に繊細なので、専門家に相談が必要だと思います。
また、これは繰り返しになりますが、
心臓病の前段階にいる可能性があるの方(高血圧、コレステロール異常、糖尿病、肥満など)は、運動を日常に積極的に取り入れて、急性心筋梗塞などの重大な疾患を発症させないことが本当に大切になります。