予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

厚生労働省(国)が推奨するものにはそれなりの意味がある

以前、がん検診について、現状どういったものが、国が指定するがん検診なのかについて、確認しました。

 

このことは、がん検診だけではなく、一般的な健康診断にも当てはまるのではないか、と考えています。

 

何を言いたいのかというと、国がある程度の税金を投入して行う検査や健康診断の項目には、ある程度の科学的根拠がある、ということです。思いつきで決めた検査ではありません。

 

常識的に考えても、国には科学的に根拠がないものに税金を投入していた、となると公的機関としては非常にまずいので、なんらかの理由が必要なのです。

 

健康診断で高血圧、コレステロールの異常、糖尿病などをチェックするのも同様です。

 

これらを早めに対策することで、脳卒中心筋梗塞、透析につながる糖尿病性腎症を予防することが可能というデータがあるので、国は公費(税金)を入れている、ということです。

 

逆に、効果に疑問が残る検査や、利益よりも不利益が大きい検査を国は推奨することはありません(できません)。

 

現状、がん検診では、胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診の5つとされているのは、他のがんでは、予防に対して明らかな有効性が証明されている検査がないからです。

 

標準治療と代替治療もよく話題になりますが、これも近いところがあります。標準的な治療には、バックグラウンドに膨大な科学的データがあります。先人が残してくれたデータを利用させていただいて、現在の健康に活かすためにあるもの、と考えています。

5つのがん検診は是非受けましょう。