予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

クリニックのフリーアクセスは損だと思う理由

よくある例を提示します。

2日前に熱がありa医院で採血をして感染症と言われ、抗菌薬を含む5種類の薬が処方されて飲んでいたが、良くならないのでbクリニックにきました。

a医院での採血の結果は詳しく聞いていないので、わかりません。と。

 

a医院には初診時の採血結果があるのもさることながら、最初に医師が診察した際のバイタルサイン、印象などがカルテに残っています。

 

医療分野では、前の状態と比べて判断することが重要なので、毎回違うクリニックにかかっていると毎回診察は【初回】となってしまいます。

 

治らない場合は、1回目と比較した2回目の診察がとても大事な気がしていて、個人的な意見なのですが、同じクリニックを何度も受診して、はじめに診た医師にいろいろと考えてもらうべきかなと思います。

 

a医院でも検査、bクリニックでも同じような検査、まただめならc総合病院で同じ検査。

 

国がクリニックのフリーアクセス制限をしたい理由はこういう理由もあるのでしょう。

 

フリーアクセス制限とは、あなたはこのクリニックに行きなさいと、自治体から指定されることです。

最初にかかりつけになるクリニックを自分で希望登録し、それ以降は、自分の希望で好きなクリニックを勝手に受診することは許されなくなる、ということですよね(すべて自費で賄うなら可能)。

 

受診できるクリニックを固定にしたい、患者さん情報が全ての医療機関で共有できるシステムを作りたい。 と、考えているんでしょうね。

 

システム導入はクリニック側が負担するのでしょうか。

 

何年先か、わかりませんが、具体的な話が水面下では進んでいるのでしょう。