予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

予防接種を学びなおす

若干の変化ながら、徐々に変わっていく予防接種。

 

小児科専門医や感染症専門医ならまだしも、基本的に内科医は予防接種のアップデートが後手に回りがちです。

 

その反省から、今回あたまの中を整理する目的で予防接種についてまとめてみました。

 

 

まず、ワクチンの種類ですが、生ワクチンと不活化ワクチンに分かれます。

 

生ワクチン(弱毒化した病原微生物を使用する)

麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン

BCG(結核のワクチン)

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチン(ムンプスウイルス)

水痘(みずぼうそう)ワクチン

ロタウイルスワクチン

黄熱病ワクチン

 

 【生ワクチンの特徴とは】

基本的に一回の接種で長時間効果がある(とされている)

次の予防接種まで、4週以上間隔を空ける。

 

 

不活化ワクチン(病原体の感染力を無くしたものを使用する)

インフルエンザウイルスワクチン

A型肝炎ウイルスワクチン

B型肝炎ウイルスワクチン

日本脳炎ワクチン

ヒブワクチン(ヘモフィルス・インフルエンザ菌のワクチン)

ヒトパピローマウイルス(HPV)

4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)

2種混合(ジフテリア破傷風

肺炎球菌ワクチン

など

他に、狂犬病ワクチン・・などがある

 

【不活化ワクチンの特徴とは】

複数回の接種が必要

次の予防接種まで、一週間以上間隔を空ける。

 

 

また、予防接種には法律に基づいて、行政が主体となって行う【定期接種】と希望者のみが受ける【任意接種】があります。

 

定期接種は公費で受けることが可能ですが、任意接種は個人が負担します。

 

ほとんどの定期接種は小児期に行われるものですが、麻疹、風疹、日本脳炎、百日咳では大人になっていると予防効果が薄れてくることがわかっているので、成人してからの任意接種を考えたほうがよいようです。

 

成人の定期接種は、以下のようになっています。

 

1、インフルエンザウイルスワクチンが65歳以上、もしくは60歳以上65歳未満で特定の疾患があるが場合

 

2、肺炎球菌ワクチンも同様です。

 

3、風疹は1962年4月2日から1979年4月1日までの間に生まれた男性で、風疹に対する抗体検査の結果、十分な量の抗体がない場合に接種の対象となります(2021年までの対応)。

 

 

 

※定期予防接種スケジュール 

 

 

【余談】

今回の収穫は、国家試験のときにゴロ合わせで覚えた記憶を思い出したことです。

 

ただ残念なことに、ゴロ合わせのフレーズが変わっていました。

以前はポリオは生ワクチンでしたが、現在は不活化ワクチンとなったためです。

 

自分の記憶のアップデートのために、以下に記載しておきます。

 

※いまのゴロ合わせ

 

生ワクチン:黄むすびフロマージュ 

黄:黄熱、む:ムンプス、す:水痘、び:BCG、フ:風疹、ロ:ロタウイルス、マ:麻疹

 

定期予防接種:水筒もって、日本のフジは百万歩ケイ

水筒:水痘、日本:日本脳炎、フ:風疹、ジ:ジフテリア、は:破傷風、百:百日咳、

万:麻疹、歩:ポリオ、ケ:結核、イ:インフルエンザ(定期なのは高齢者)

 

しかし、今はこれに、HPV、ヒブ、肺炎球菌が加わった・・。

 

 

予防接種、感染症を専門としていない医師にとって、正直難しい分野です。

 

何度覚えても覚えきれないので、今後も繰り返しアップデートしないと無理ですね。

 

この分野は専門外とは言っても、避けては通れません。またブログでもアップデートします。